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ピッキングはあくまでも鍵なし解錠方法の一つでしかない。シリンダーの種類や構造によって、簡易なものとそうでないものがあるものの、実は世間にあるシリンダーのほとんどは、この手法により開けることが可能である。問題はその所要時間にある。
マスコミで頻繁に取り上げられたディスクシリンダーについては、この耐久時間があまりにも短かったために問題となったのであった。
侵入盗犯の具体的な侵入手口として有名だが、これはピックという細長い金属製の道具を使うためである。
また、ピッキングにはピックと同時に使用する「テンション」という道具がある。テンションとは緊張、圧力といった意味があるが、ピックを使いながら、シリンダーを回転方向に回して固定する役割を担う。
もちろんこうした道具は鍵の紛失や誤って閉めてしまったドアの開錠のために使われるため、市販もされて、売買に対する規制もなかった。
しかし、平成15年になり、特殊開錠用具の所持の禁止などに関する法律が制定され、業者以外のものが類する工具を所持することは罰せられることになり、住宅侵入などを目的とした者に販売、貸与した場合も、処罰されることになった。
しかし、防犯対策といえばピッキング対策とうい風潮は大きな誤解があり、こうした道具がなくても短時間での不正開錠が可能なものもあり、ピッキングに固執するといけない。
・ピッキング被害の現状
マンションの防犯性が高いというのは「ピッキング」手口の急増以前の話であった。マンションにとって外部に面した数少ない開口部である、玄関を狙う手口の蔓延は安全神話を崩壊させた。
一時期ほどではないが、ピッキングによる侵入窃盗は依然として多い。平成12年頃には1万件以上のピッキング被害が起きて、社会問題として浮上した時期である。しかし平成13年には4000件程度に減少し、平成14年も4000件代にとどまった。
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