正しい錠前設置のイロハ :防犯対策@知識集

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正しい錠前設置のイロハ 

本来、錠前には玄関用と室内用がある。この違いは単純に防犯性と耐久性の違いと考えてよい。
 玄関用錠は、強固なかんぬき(デッドボルト)と複雑なシリンダーを装備して、各種の破壊や解錠手口に耐久できるようになっている。一方、室内錠は、善意の訪問者のみを対象にしているため、簡単な方法で解錠できるようになっている。

 室内でよく見かけるチューブラ錠は、施錠状態であっても、定規一本あれば、ラッチを引っ込めて解錠できるようになっている。というのも、トイレなどで使用される錠前は、急病などの不測の事態にも対応できることが望ましいからであり、実際トイレや浴室での高齢者の卒倒は多いからである。

 錠前メーカーも玄関錠と室内錠に明らかな性能差を設けており、たとえば美和ロック社の製品カタログを見てみると、LAというレバーハンドル錠については、主に玄関で使用されるシリンダー付きのものに比べ、トイレなどに使用される表示錠タイプは、かんぬきの長さが短いのである。

 また、室内では収まりの面から細い戸枠が設置されることが多く、錠を設置する際に掘り込みが深いと不都合が生じることも大きな原因だ。

 かんぬきは錠の性能を左右する最も重要なパーツであるから、この材質が破壊に弱いものであったり、長さが短いとこじ開けなどに対する耐久性が著しく低下することになる。

こういった錠本体の性能を置き去りにしてピッキング対策と称してシリンダーを交換、強化ばかりに固執することは玄関の防犯性という本来の趣旨からいえば、ナンセンスである。

 室内用のドアノブや、レバーハンドルの外部での仕様についても注意したい。デザイン的には優れているかもしれないが、こうしたもののなkには、変色しやすいものもある。

さらに、室外側からノブなどのパーツを簡単にとりはずすことが可能なものもあり、サムターン回しを似た手口で解錠されることもある。特にデザイン重視のインテリアドアハンドルを得意とするメーカー製品を採用する場合には注意が必要である。

 現在の玄関ドアの防犯対策の基本は、「補助錠を付けた2ロック以上による施錠」が常識である。2ロックは構造上の強化はもちろん、犯人に意図的な破壊に対して時間稼ぎも狙いで、欧米でもこれにそった運用がされている。

 しかし近年まではわが国日本でも1ロックが主流であった。最近は犯罪件数が多くなってきたので状況も変わってきたのである。

 また、新築の時から2ロックだからといって、安心してはいけない。ドアなどの建具が破壊の手口に対して著しく弱い場合や、旧来のアルミ製の既製品ドアのなかには、かんぬきの強度が十分でないものもあり、補助錠を設置したところで意味をなさない事も多い。2ロックだからと安心はできない。

 また、意外と盲点になっているのが、鍵は犯行の手口に対して有効な正しい位置に設置しなければ、本来の性能は得られない。侵入者がてこの原理を応用し少ない力で剥ぎ取ろうとする場合、どんなに性能の良い鍵でも比較的簡単に解錠されてしまうからである。

 たとえば、かんぬきの設置位置を扉の高さ寸法のセンターにもってくることが重要となる。これを上や下に極端に寄せると破壊されやすくなる。

 2ロックの場合は、主錠をセンターに持ってくるよりは、間隔を適当に離して均等配置が望ましい。あまり近いとバールなどで、煽られた場合に加重が分散せず、せっかくの2ロックの意味が薄れてしまう。

 また、採光用のはめ殺しガラスやポスト口などの破壊しやすい部位の近くにサムターンを配置した場合、その部分を破壊し手を差し入れることで、簡単に解錠される危険性がある。こうした場合には、両面シリンダー錠などの設置の検討も考えよう。

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